はじめに皆さんもご存じの通り、GoogleはChromeのサードパーティーCookie廃止を段階的に進め、2024年中に完了させる計画を発表しました。この措置により、サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)の廃止が実施されると、これまでのような高精度なオーディエンスターゲティング配信が困難になることが予想されます。この動きは、デジタルマーケティング業界にとって大きな変化をもたらし、企業は新たな手法を模索せざるを得ません。各種規制が厳格になり、ユーザーのプライバシー保護が一層強調される中で、データドリブンなアプローチがますます重要となりつつあります。 オフラインデータから人々が持つ興味関心を明らかにする「行動DNA」とは当社では、約3.9億のアプリIDと約216万のビーコン活用により、オフライン上のリアル行動データから分かる人々の行動特性(行動DNA)データを日々取得しています。このデータは人の興味関心に関連した属性情報として約150種類のカテゴリに分類しており、特定の駅や地域にいる人を時系列や性別単位で分析することが可能です。 これにより、従来のように直感的に判断していた駅や街にいる人々のイメージではなく、実際の行動データから抽出した情報を利用できます。そのため下の図のように、より解像度の高い属性情報をもとにマーケティングプランを設計することができます。行動DNAデータの活用例この章では行動DNAデータの活用例をいくつかご紹介します。活用例①:嗜好性から最適なマーケティングエリアを設計する前述した約150種類のカテゴリで構成された行動DNAデータの中から、特定の嗜好性との関連度が最も高い駅やエリアを見つけることができます。 例えば下の図は銀座駅、浅草駅、恵比寿駅利用者のグルメカテゴリ(一部抜粋)に関する嗜好指数を示しているグラフです。このグラフをみると、3駅の中で嗜好指数に違いがみられたのは「うなぎ」のようです。下町である浅草には多くの名店が立ち並んでいることから、こういった傾向が数値として表れたのかもしれません。上記はほんの一例ですが、ターゲットペルソナの持つ特定の行動DNAデータから、これまで気付くことができなかった、自社にとって最適なマーケティングエリアを新たに発見することができるかもしれません。 活用例②:嗜好性の時系列変化傾向で最適なプロモーションエリアを設計する行動DNAデータは時系列による変化も観測することができます。 下の図は「ゴルフコース、ゴルフ練習場」の嗜好指数が2022年から2023年にかけて最も高まった駅TOP10を抽出したグラフとなります。それぞれ、高まったエリアを中心にプロモーションを検討したり、出店計画の参考データとしても有効活用できると思います。このように、特定の嗜好性を持つ人々の利用頻度が飛躍的に増えたエリアや駅を特定することで、人々の関心の高まりに合わせた効果的なマーケティングプランを設計することができます。Cookie規制に左右されない新たなオーディエンスターゲティングとは前述した通り、「行動DNAデータ」は豊富なアプリIDとビーコンをもとに構築したデータ群であるため、サードパーティーCookie規制の対象には当然該当しません。オンライン広告の世界では当たり前だったオーディエンスターゲティングが、オフラインの世界においても可能だとしたらいかがでしょうか。行動DNAアナライザーでは、Cookieに依存しないユーザーの行動特性が分かるだけでなく、これらのデータを活用して、ユーザーが普段利用しているアプリと連動して広告を配信することが可能です。さらに性別や位置情報データを組み合わせることで、より精度の高い広告配信を実現することができます。さいごに以上、「行動DNAデータ」について活用例を交えつつ、そのデータの持つ優位性や特長についてご紹介いたしました。Cookie規制が加速する中で、「行動DNAデータ」のようなオフライン上のリアルな行動特性から得られる情報が、マーケティング戦略において非常に有益となりうると考えております。今後データドリブンなアプローチがますます重要となる中、行動DNAデータの活用が企業にとって不可欠な戦略の一部となるのではないでしょうか。 記事の内容について少しでもご興味を持っていただいた方は、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。本記事ではご説明できなかった事例や活用方法についてぜひご紹介させてください。